melaleuca labo.の大切なお客様へ

日本はとても寒い年の瀬と聞いておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

2017年12月25日、私は今、メルボルン近郊ポートフィリップ湾を、ベラリン半島からモーニントン半島に渡る船の中でこれを書いています。 カーフェリーで片道40分。その先には、ペンギンパレードで有名なフィリップ島があります。

優雅なクリスマスと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実のところ、この国のクリスマスはマクドナルドやウールワースでさえ閉まってしまう徹底ぶり。クリスマス休暇に出かける先には苦労します。笑

この船の中も、クリスマスを家族と家で過ごす習慣の欧米人は少なく、圧倒的多数のアラブ系にインド系の人々が混じっています。全豪全土に出没する中国系の人々はほぼ団体ツアー旅行の為か、この船の中には見当たりません。日本人は間違いなく我々家族だけでしょう。笑。

この春にシドニーに居を移して、身に染みてわかったことは、この国が太陽と南極の支配下にあるということ。

そして未だにわからない…いやたぶんこれからもわからないのは、誰がオーストラリア人か、オーストラリア人とはどの人のことなのか、ということです。

高校生の息子に「あの人ナニ人?」と聞かれて、国籍を聞かれているのか、人種を聞かれているのか、どこの地域から来た人なのかを聞かれているのか、はたまた言語か、宗教か、肌の色か、親の出どころか…人間の分類方法とは、いかに多様で、頼りなく、不可思議なものなのかを、考えさせられるのです。 迷うことなく「日本人」だと言えることって実は珍しいこと。

いや、遺伝子的にも国籍も、話す言葉も居た場所も、それから自分の性別さえも…はっきりさせる必要ってないのかも…と、この国に来てから思います。 もしかしたら、私達が国籍だと思っているのは、実は宗教のことかもしれないし、言語を背景とした考え方のことかもしれない…実際のnationalityなんて、実はどうでも良くて、必要なのはcultureなんじゃないのか。

結局、人は、どこから来てどこに行くのか…オーストラリアという船は、同じ時期に多文化の乗客が乗り合わせ、船を降りたらそれぞれの次なる目的地に異なる意思を持って進んで行くのだけれども、今この時に、どこまでも青く美しい海と空を共有しているという意味では平等の機会を与えられている。日本という船にはないオプションが用意された航海なのかもしれません。

私も、人生の一時期を他民族船に乗り合わせたことによって、より客観的に、日本人の考え方や暮らし方、日本の自然療法の安定的な部分と不安定な部分、曖昧さと窮屈さ、有機の意味と国産の意味、いろいろわかる気がしています。

前置きが、たいそう長くなりましたが、そんなわけで、今年は大変目まぐるしく大忙しな一年となりました。 5月1日のnew shop openの際には、多くの方々に過分なお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。 皆様のご協力のおかげで、少ない人手を工夫で乗り切り、パフォーマンスを大きく下げることなく移行ができました。

melaleuca labo.の移転は、2年前の発案から約18ヶ月をかけて準備されてきたことで、今頃私はスタッフの大掃除を邪魔しながら、そしてちょっと手伝いながら、新店舗での1年を振り返りつつおしゃべりしていたはずでした。 が、実際の私には、新店舗をゆっくり味わう時間はなく、シドニー転勤の決まった夫について、南半球で暖かいクリスマスを迎えている…という、「想定外」の展開となっています。

ただ、長い目で、大きな目で見れば、melaleucaという名前を付けたお教室を始めた以上、いつかこの国とじっくり向き合うことは「想定内」の出来事であった。そしてそれは20年まえの機内でmelaleucaに出会った時に、決まっていたことかもしれない。 そうでなければ、melaleuca=tea treeに申し訳ないような気さえします。

幸い、数年来私の側で学び支えてくれたスタッフが育ち、一人で暮らす母も元気、また息子達もそれぞれの生活を自力運営する年頃になりました。 このタイミングで2度目の海外生活を送りながら、melaleucaの故郷について知りたいという、私の我儘を許してくれたのは、他ならぬ彼らの協力があったからです。

そして、この文章を読んでくださる皆様お一人お一人が、今までの、そしてこれからのmelaleuca labo.を見守り、盛り立ててくださればこその今と、心から感謝申し上げます。 また、十分なご説明をさしあげないまま今日になりました非礼を、この場を借りてお詫び申し上げます。

この半年は約一月置きに日本に戻り、melaleuca labo.のクラスに「オーストラリアの自然療法事情」というレッスンを追加しました。次回はvol.4、2月に予定されており、オーストラリアからいくつかの精油と基材を持参、ご紹介しようと思っています。

また、同2月新規で季節開講のNHK学園青山教室でのハーブブレンディングレッスンなど、日本での活動は、これまでどおり、5周年を迎える横浜melaleuca labo.を拠点としながら、縮小することなく、展開を広げて参りたいと考えております。

そして、melaleuca labo. Sydneyも、はじめの一歩を踏み出しました。 オーガニック大国に居ながら自然療法に縁遠かった方や、逆にtherapyの種類が多すぎて頭の交通整理が必要になっている方に、生きやすさの選択肢を増やすお手伝いができればと考えています。

サンタがサーフィンするというこの国で迎えるクリスマスは、いまひとつ感じが出ませんが、こうして遠く日本について考え、思う機会が与えられていることを感謝。 ご理解ご協力を賜っております皆様に、私の五感を通して感じたことをお伝えしていきたいと、新しい年を前に決意を新たにしております。 そうとなれば、移動と二重生活には心身の健康が資本。 植物の力を借りて養生しながら、元気に皆様の笑顔にお目にかかりたいと存じます^ ^

皆様におかれましても、時節柄くれぐれもご自愛いただき、良いお年をお迎えください。

melaleuca labo.代表 宝本小枝子

【追伸】

2018年2月16日(土)と17日(日)にはmelaleuca labo.5周年記念パーティーを催します。

例年ご参加頂いている皆様や現役レッスン生の皆様にはinvitation cardが届きますので、恐れ入りますがご出欠のご連絡をお願いいたします。

また、新しくinvitation ご希望の方は、直接店舗までご連絡ください。 また、当日のレッスン及びティーパーティは無料でございます。お席には限りがありますので、ご要望に添えない場合はご容赦くださいませ。